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福岡高等裁判所 昭和61年(行コ)19号 判決 1988年6月27日

控訴人(原告) 高橋忠義 外一名

被控訴人(被告) 社団法人全国社会保険協会連合会 外六名

主文

本件控訴を棄却する。

控訴費用は控訴人らの負担とする。

事実

一  控訴人らは、「原判決を取り消す。(主位的控訴の趣旨)被控訴人社団法人全国社会保険協会連合会(以下「被控訴人全社連」という。)は、佐伯地域市町村圏事務組合(以下「本件事務組合」という。)に対し、原判決別紙目録記載の土地(以下「本件土地」という。)について大分地方法務局佐伯支局昭和五八年三月三一日受付第三四〇八号の所有権移転登記(以下「本件登記」という。)の抹消登記手続をせよ。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人全社連の負担とする。(予備的控訴の趣旨一)被控訴人らは、本件事務組合に対し、各自金八六九三万一〇一七円(ただし、被控訴人全社連を除くその余の被控訴人六名中、被控訴人大鶴タネはその二分の一、その余の被控訴人らは一〇分の一宛)及びこれに対する昭和五八年七月二三日から支払ずみまで年五分の割合による金員を支払え。訴訟費用は第一、二審とも被控訴人らの負担とする。(予備的控訴の趣旨二)控訴人らの予備的請求中原判決が訴えを却下した部分を大分地方裁判所に差し戻す。」との判決を求め、被控訴人らは主文同旨の判決を求めた。

二  当事者双方の主張及び証拠の関係は、本件記録中の当審における書証目録、証人等目録の各記載を追加するほかは、原判決事実摘示のとおり(ただし、原判決事実摘示中「被告大鶴文雄」又は「被告大鶴」とあるのはいずれも「亡大鶴文雄」に改め、同二枚目裏七行目の「昭和五四年五月以来」の次に「昭和六一年七月一四日死亡するまで」を挿入し、同八行目の「管理執行する者、」を「管理執行していた者で、控訴人大鶴タネは妻として、同大鶴直己、同菅宥子、同山村邦江、同佐藤厚恵、同飯田志保らは子として、亡大鶴文雄の相続人である。」に、同三枚目表五行目の「三月一日」を「三月三一日」に、同一九枚目表五行目の「八六九三万円」を「八六九三万一〇一七円」にそれぞれ改め、同二四枚目裏八行目の「前項」の次に「2の」を加え、同二六枚目表一、二行目の「その余の甲号各証」を「その余の乙号各証」と改め、同末行の「2 被告大鶴文雄」を削り、同二六枚目裏一行目の「3」を「2」と改める。)であるから、これを引用する。

理由

一  当裁判所も、原審と同様、控訴人らの主位的請求、及び予備的請求のうち原判決別紙目録記載の土地の売却処分の違法を理由とする損害賠償請求部分は、いずれも理由がないからこれを棄却すべく、その余の予備的請求部分(すなわち、<1>右土地の取得に伴う違法な公金の支出及び<2>違法な賃貸管理処分を理由とする各損害賠償請求部分)は不適法であるから訴えを却下すべきものと認定判断するもので、その理由は、次のとおり改めるほかは、原判決理由説示と同一であるから、これを引用する。

1  原判決理由説示中「被告大鶴」とあるのは、いずれも「亡大鶴文雄」と改める。

原判決二七枚目裏六、七行目の「第二三号証の二、四、」を「第二三号証の二、三、」と改め、同二九枚目裏六行目の「立退補償費が」の次に「土地の」を、同三一枚目表一〇行目の「以上の事実が認められ、」の次に「右認定に反する原審控訴本人高橋忠義の供述部分は前掲各証拠に照らしてたやすく措信し難く、当審証人汐月弥平、同長門宏、同佐々木博生の各証言もいまだ右認定を左右するに足りず、他に」を各加える。

2  同三一枚目裏六行目及び九行目の「または」を「又は」と各改め、同三二枚目表九行目の「したがつて行政財産には該当しないというべきである。」の次に「蓋し、地方公共団体自身が直接公用又は公共用に使用するものでない公有財産の管理及び処分につき、行政財産として厳格な制約を課すのを相当とする実質的理由はないからである。」を加える。

3  同三四枚目表一行目の「利用するのか」を「利用し、又は利用すると決定したのか」と、同一一行目の「同規則」を「本件事務組合有財産規則」とそれぞれ改め、同三四枚目裏二行目の「地自法九六条一項七号」の次に「(ただし昭和六一年法七五号による改正前のもの。以下同じ)」を加え、同三六枚目表五行目の「前掲甲第四号証、乙第一一、第二八号証」を「前掲乙第一一号証、成立に争いのない甲第四号証、第二八号証」と改める。

4  同三八枚目表二行目の「ただ、」から同一〇行目の「‥‥と考える。」までを削り、同一一行目の「原告の」を「控訴人らの」と改め、同三八枚目裏四行目の「成立に争いのない甲第三、」の前に「前掲甲第四号証、」を加え、同行目の「第四、」を削り、四一枚目表七、八行目の「‥‥得べかりし利益喪失し」を「‥‥得べかりし利益を喪失し」と、同四一枚目裏三行目の「地自法二四一条一項」を「地自法二四二条一項」と各改める。

5  同四三枚目表一行目の「被告ら」を「被控訴人全社連及び亡大鶴文雄」に改める。

二  よつて、原判決は相当であり、本件控訴は理由がないからこれを棄却することとし、控訴費用の負担につき民訴法九五条、八九条、九三条をそれぞれ適用して、主文のとおり判決する。

(裁判官 高石博良 堂薗守正 松村雅司)

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